少し前に、デジタル、紙、ともに、メモ帳はそれぞれ1点というマイルールを心に刻んだ。近年、何度も試みたが、簡単ではなかった。記録する媒体を持ちすぎなのだ。しかし、忘れてはならないこと、浮かんだアイデアなど、一つにまとめていないと、後で困ることが多いので、今回こそはと、決めた。デジタルは、以前に使っていたメモアプリを復活させた。紙は、かつて、ある媒体の記者をやっていた頃、取材の時だけに使っていた、丈夫なバインダーに挟む、上とじの、ミシン目のついたメモパッドを日常的に使うことにした。筆記具は、書きやすい芯ホルダーを購入した。はるか昔の中高生時代、お小遣で購入して大切に使っていたことを急に思い出したのだ。メモの場がミニマムになり、快適になった。以来、人が使っている文房具が気になって仕方がない。本書は、その流れで手に取った。著者は、文房具の情報サイトの編集長で、ソーシャルメディアでも、文房具の情報を発信し、「文具王」と呼ばれる。「長く使っても古びない普遍性のある」製品をまとめた内容だ。主に日本のメーカーの、筆記具37点、消す用具2点、ノート・メモ帳13点、測る用具2点、切る用具16点、留める用具11点、収納用具5点、電子ツール7点、その他8点を紹介している。機能性と実用性の説明が、とてもわかりやすい。毎日の生活で触れるものを、丁寧に選び、しっかり使い続けていくと、雑事を能動的に取り組むことができ、些細なことでも楽しめるのではないかという、著者の言葉に賛成だ。
Cコード:0076
A5判 144ページ
定価:1,800円+税
発行:主婦と生活社