成人期のADHDの認知行動療法、時間管理、集団認知行動療法が専門の心理学博士で、公認心理師、臨床心理士の著者が、習慣を見直し、時間を有意義に使えるようになるための方法をまとめた本。脳の仕組みを利用し、「欲求を満たしながら、我慢することなく悪習慣をやめる」技術の提案である。やり方は、ノートとペンを用意し、1日3分、4項目に対し1行書くというものだ。過度に、ゲームやSNS、映像作品、酒、食にはまっていた人たちの事例をあげ、この記録により、どのように好転していったかがつづられる。世の中には、やめたい習慣がない人もいるのかもしれないが、私にはある。中年期に突入してから、いくつかの悪習慣を、何年かかけて、自力でやめた。目標を達成した満足感を知っているのにもかかわらず、ほかにも、やめたいのにやめられない習慣がある。科学に基づいた、本書の方法はぜひ参考にしたい。自身が認知行動療法で生きやすくなったと言及する著者の言葉は励みになるだろう。
Cコード:0030
四六判 224ページ
定価:1,400円+税
発行:すばる舎