日: 2024年1月21日

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    ブックリヴュー:『カラーパープル』(アリス・ウォーカー 著、柳沢由実子 著、集英社 刊)

     アメリカ・ジョージア州出身の作家で社会活動家の著者が、1982年に発表した小説『The Color Purple』の邦訳本である。20世紀初頭の米南部の黒人女性の姿を通し、女性の生き方、性や人種などの差別をテーマを描いている。父親から性的虐待を受ける娘時代を過ごした主人公セリーが、暴力的なミスター**との結婚生活を終わらせ、幸せをつかむまでの物語が、書簡形式で進む。人間社会は、立場の弱い者が行動を起こしたり、厳しい法律や罰則ができたりするまでは、強者が弱者へ支配と服従を求め、雄は雌を犯す生き物と、心得ておくべきことがよくわかる作品だ。賢く生きたいものである。

    ISBN:978-4-0876-0117-6
    Cコード:0197
    四六判 368ページ
    定価:900円+税
    発行:集英社