ムーヴィーリヴュー:『アガサ・クリスティー ねじれた家』Crooked House(監督:ジル・パケ=ブレネール)

『アガサ・クリスティー ねじれた家』(原題:Crooked House)
監督:ジル・パケ=ブレネール
出演:グレン・クローズ、マックス・アイアンズ、ステファニー・マティーニなど
2017年
Amazon Prime Video

 イギリスの作家アガサ・クリスティー(1890~1976)が、1949年に発表した同タイトルが原作。もちろん殺人ミステリーだ。まずは、犯人を明かさない程度の内容を。レストラン経営で大成功を収め、巨万の富を築いたギリシャ移民のアリスティド・レオニデスが不審な死を遂げた。孫娘のソフィアは、祖父は毒殺されたと考え、かつての、いっときの恋人で元外交官の私立探偵、チャールズに調査を依頼する。彼は情報を集めるため、レオニデス家の屋敷で過ごすようになるが、そこにいるのは風変わりな親族一同だった。全員が、家長であったアリスティドへの殺意を持っているようである。探偵事務所の維持費のためにも、チャールズは、事件をひも解いていかなければならなかった…。商売で大成功したお宅が舞台の話だ。3代しか続いていないので、名家にはなれず、まだ成金の名残のある一族だからこその、家長への蔑みや憎しみがそれぞれに表れていた。家や財は4代目から本番なのだろうということも。ちなみに、私は犯人を当てた。殺人ミステリードラマを見る時の楽しみと言ったら、見ている側が犯人を推理することだ。今回は、その人物が登場した時から「この人が犯人」と思いながらずっと見ていた。最後のシーンでは気の毒なことになるのだが、いたしかたない。アガサ・クリスティー作品は、NHKで「名探偵ポワロ」を毎回楽しみに見ていた。しかし、邦訳小説も読んだことがないので、これを機に読んでみたいと思った。