著者が19歳の時に、2003年下半期芥川賞を受賞した作品。事前の情報はこのくらいで、読み進めた。周囲に溶け込めない主人公の初実ハツが、同級生の男子、にな川と心を通わせる話である。自分の高校時代は、暗い思い出ばかりだから、この年代の話は、構えてしまうのだが、過去の記憶が良いものに変わりそうなくらい、爽やかな印象の残る青春小説だった。「さびしさは鳴る」の冒頭も良かった。読了後、この書き出しが評価の高いものであることを知った。名作に触れられ、大変満足。
ISBN:978-4-309-40841-5
Cコード:0193
192ページ
定価:450円+税
発行:河出書房新社
Cコード:0193
192ページ
定価:450円+税
発行:河出書房新社