カテゴリー: Editor’s Choice 既刊書評

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    ブックリヴュー:『世界一流エンジニアの思考法』(牛尾剛 著、文藝春秋 刊)

     世界最大手のコンピューターソフトウエア企業に勤める、アメリカ在住のシニアエンジニアが、現地での超巨大クラウドの開発の最前線で学んだ思考法をまとめた本。日米の一流エンジニアの比較、「重要な1つをピックアップしたら、それだけに集中する。「より少ない時間で価値を最大化する」”Be Lazy”な考え方、「理解・記憶・反復」について、コミュニケーションの方法、チームの作り方、生活習慣術などにふれる。高い生産性は、西洋文化の「思考法」(マインドセット)が形作っているという。著者は、自身を「「一流エンジニア」ではない」、幼少時は「“要領の悪い”子どもだった」と評す。大人になってからは「ADHDと診断された」とも。だからこそ、プログラマに憧れた少年は、多くの人に、楽しく幸せな働き方の秘訣を伝えられるようになったのであろう。

    ISBN:978-4-16-391768-9
    Cコード:0095
    四六判 272ページ
    定価:1,600円+税
    発行:文藝春秋
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    ブックリヴュー:『長生き地獄にならないための 老後のお金大全』(森永卓郎 著、KADOKAWA 刊)

     経済アナリストの著者による、「将来の年金受給額が夫婦で月額13万円に下がることを前提に、その範囲で楽しく暮らす方法を紹介」した本。著者の分析や経験に基づき、年金、定年後の仕事、終の棲家、相続・贈与など、多岐にわたって、説明されている。まだ時間がある、などは考えずに、それぞれの項目について、情報集めを行い、常にアップデートし、準備をしておくのが良いのだろう。「楽しく暮らす」とは、自発的に、賢く過ごすことがよくわかる内容である。同時に、健康と体力を第一に考えて暮らしていく必要があると感じた。

    ISBN:978-4-04-605662-7
    Cコード:0033
    A5判 248ページ
    定価:1,500円+税
    発行:KADOKAWA
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    ブックリヴュー:『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(洗濯ブラザーズ 著、アスコム 刊)

     クリーニングのプロ3人組による、正しい洗濯の方法がまとまった本。洗濯の基本や臭いのシミの落とし方、洗濯機の活用術、乾燥術、洗剤の選び方などがわかる。洗濯は日々行う大切な家事であり、失敗も含めて、毎日が実験と研究の場である。本書には、洗濯する読者が、「やはりそうだったのか」と納得することと、「知らなかった」の発見が、それぞれ書かれている。汚れや臭いのない衣類を身に着けたり、小物を持ったりするためにも、無駄なお金を使わないためにも、家庭で洗濯する全ての読者におすすめの1冊である。

    ISBN:978-4-7762-1058-0
    Cコード:0077
    四六判 216ページ
    定価:1,400円+税
    発行:アスコム
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    ブックリヴュー:『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全:脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!』(佐々木俊尚 著、東洋経済新報社 刊)

     作家でジャーナリストの著者が、日々のインプット術とアウトプット術のノウハウをまとめた本。スマホを手放すことが難しい時代の、「気が散る」ことを利用した、書籍、ネット、SNS、ニュース、有料メディアなどの読み方、リアル書店の活用法、情報整理、効率化のためのアプリを紹介している。X(Twitter)で著者をフォローしているので、メディアの記事紹介の投稿をよく見かける。知的でニュートラルで、毎度感心させられる。その投稿の記事は、「毎日、およそ1000本くらいの記事の見出しに目を通し、それをありとあらゆるスキマ時間を使ってチェックしている」中から選ばれたものだ。いつも気持ちがよく読める投稿は、本書で書かれている全ての方法が集約されているのだろう。そして、著者の人柄も。現代に生きる人は必読の1冊。参考になることが多数ある。

    ISBN:978-4-492-04686-9
    Cコード:0034
    四六判 404ページ
    定価:1,600円+税
    発行:東洋経済新報社
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    ブックリヴュー:『ネイティヴ・サン:アメリカの息子』(リチャード・ライト 著、上岡伸雄 訳、新潮社 刊)

     1940年に出版された、アメリカの作家、リチャード・ライト(1908~60)の『Native Son』の邦訳本。30年代の米州西部シカゴが舞台で、主人公の黒人青年が、2度の殺害を犯し、最後は死刑を宣告される物語である。本作は、主人公ビッガー・トマスの行動を容認しているのではなく、彼を追い詰めた社会的、心理的な要因を探っている。話が進むにつれ、ビッガーは、より自暴自棄になり、暗い道への選択をする。読者は、恐怖と同情の両方を感じ、暴力と犯罪がなぜ起こるのかを考えることになる。はるか昔の学生時代に原書で読んだ小説だ。邦訳は初めて読んだが、リチャード・ライトの小説を読む時は、体力や心の状態が整っていることが大切なことを思い出した。同時に、地球上のすべての人が、健康、家族や伴侶や恋人や友人、仕事、お金に恵まれるよう、努めたいと感じた。
     

    ISBN:978-4-10-240261-0
    Cコード:0197
    文庫判 800ページ
    定価:1,100円+税
    発行:新潮社
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    ブックリヴュー:『Microsoft Teams踏み込み活用術 達人が教える現場の実践ワザ』(太田浩史 著、インプレス 刊)

     IT技術者による、Teamsの「チームとチャネルの使い分け」「通知量のコントロール」「アプリとの連携」などの、効率的、かつ、実践的な操作方法がまとまった本。近年、日本でもビジネスチャットツールが浸透したようだ。新型コロナ禍中、勤務先が、その手のツールを導入し、初めて使用したという人も多いのかもしれない。本書を読むと、Teams使用者は頭の整理ができ、新たな発見がある。

    ISBN:978-4-295-01176-7
    Cコード:3055
    A5判 208ページ
    定価:1,680円+税
    発行:インプレス
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    ブックリヴュー:『習慣の力〔新版〕』(チャールズ・デュヒッグ 著、渡会圭子 訳、早川書房 刊)

     ジャーナリストで作家の著者による2012年刊『The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business』の邦訳本。科学的に習慣がどのように形成されるか、生活への影響、そして、変えることができるかを探求している。個人の習慣、成功する企業の習慣、社会の習慣、と3部の構成である。習慣の仕組みを理解し、コントロールすることで、習慣は、変えられないものではないという。解説者の隂山英男さんは、本書における「習慣」は「習性」「中毒」または「洗脳」の意味合いも含むと言及する。それぞれの事例が多数でてきて、恐ろしさも感じる。しかし、習慣を改善することで、人生を向上させたり、逆手にとって商売を繁盛させたり、社会がよくなるといったことは可能なのだ。ハウツー本ではないが、付録の著者からの提案は、習慣改善に役立つだろう。

    ISBN:978-4-15-050542-4
    Cコード:0198
    文庫判 432ページ
    定価:1,020円+税
    発行:早川書房
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    ブックリヴュー:『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』(トマス・J・スタンリー 著、橘玲 序文、文響社 刊)

     アメリカの富裕層マーケティングの第一人者、トマス・J・スタンリー(1944~2015)による、富豪がどのようにして経済的に成功したかが書かれた本。2000年刊『The Millionaire Mind』が元になっている。億万長者には、学生時代の成績が普通、中古物件に住む、相続を受けておらず1世代で成り上がっている、配偶者を顔で選んでいない、ビジネスチャンスの見極めができる、などの共通点があるという。著者が共著でまとめた『となりの億万長者』や『その後のとなりの億万長者』に登場するお金持ちと同様、億万長者は、浪費をせず、堅実で、きらびやかではなく、地味である。そして、賢い。原書は、昔に書かれているが、デジタル化した今の世の中でも、この特徴は変わらないのだろう

    ISBN:978-4-86651-112-2
    Cコード:0030
    四六判 436ページ
    定価:1,650円+税
    発行:文響社