Cコード:0130
文庫判
224ページ
定価:770円+税
発行:三笠書房
貧困ジャーナリズム賞を受賞し、職業生活がテーマの著作の多い著者が、家賃交渉術をまとめた2018年初版の本。以前の著書に、実録を加えた改訂新版だ。著者は、3つの行動原則をあげる。「いま住んでいる部屋の家賃の値下げ交渉をしてみる」「更新ごとに、家賃の安い部屋に引っ越しを検討する」「借りるか、買うかにこだわらない」。その上で家賃2万円減を目指す。著者の提案通りの行動をとるには、法律を駆使する準備や、強い精神力が要されそうだ。とはいえ、偏った私見だが、家というものは、借りるにせよ、買うにせよ、もともと、それらが重要なのかもしれない。著者の究極のゴールは「住居費をいまの半額にすること」だという。担当編集者の実体験は参考になる読者も多いだろう。
2012年に88歳で亡くなった台湾出身の実業家、作家、経済評論家、経営コンサルタントだった著者は、食道楽で、友達を自分の家へ招くことが好きだったという。本書は、1955年第34回直木賞受賞前の54年から29年間の、自宅の料理「邱飯店」でのもてなしや、招待した人たちについてつづった、1983年発行『邱飯店のメニュー』を改題した本である。登場する人は、佐藤春夫と檀一雄にはじまり、日本史に名を残すような人や、その道の一流の人ばかりが名を連ね、驚く。出てくる料理は、高級食材による凝った調理法のものから、ひと工夫のある家庭料理など、どれもおいしそうだ。読者が料理をする人なら、食材や方法など、何かを取り入れたいと思うに違いない。私の中では、実業家と投資家のイメージが強い著者だった。食に興味があるからこそ、ビジネスや投資で成功できるのかもしれないと思った。
編集記者として大手新聞社での勤務経験のある著者による、2016年初版の本。50歳で退職するまでの経緯、仕事と会社と人生、節電による家事や日常生活などが、柔らかく、読みやすい文体でつづられている。知的で、センスがよく、素敵な生活をされているなあと、著者の他の本を読むたび、いつも感心するが、久しぶりに読んだ本書(今回は電子版で)でも改めて思った。新聞業界の人たちにエールを送る内容であるとも感じた。私からは次の方々へお勧めしたい一冊だ。何かしらのかたちでの退職を控え、新しいスタートをきる準備をしている、大企業で働く人、公務員の職の人、若い頃から何十年も同じ組織や業界に従事する人などだ。著者は「会社は修業の場であって、依存の場じゃない」という。また、「原稿料というものは天文学的に安い」業界の勤務者は、職種を問わず、ご一読を、と思う。雇用されていた組織を去って、組織に属さず生きる人の言葉の力は大きいのだ。
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