Cコード:0273
新書判 224ページ
定価:1,400円+税
発行:星海社
日本の華僑社会で「ボス」と呼ばれる大実業家に財のなし方を学び、自身のビジネスを成功させた日本人実業家による、2019年初版のビジネス小説。物語は、実話にほぼ基づいているという。「金なし、学歴なしのダメサラリーマン」の主人公は、「知難行易」を軸に、知るためにはやらなければならない商売の極意をボスから教わる。結果、独立後は、起業1年で年商1億円を上げることができた。著者は、あとがきで、「西洋は「宗教を中心とした法の社会」、東洋は「人を中心とした倫理の社会」」とつづる。これは、私もよく考える。日本が西洋化したのは、わずか150年ほど前のことだ。日本人には、それ以前の、東洋・日本の時の刻み方のもとで育まれた感性を持っているはずだが、西洋思想をありきの社会で生きている。かといって、我々は西洋人ではない。ユニークな日本は、西洋からも東洋からも、うま味がある存在であろう。「ボス」が、中国の古典を用いているのが印象的な小説だ。「修身、斉家、治国、平天下」などは、特に心に残る。
アメリカ・ジョージア州出身の作家で社会活動家の著者が、1982年に発表した小説『The Color Purple』の邦訳本である。20世紀初頭の米南部の黒人女性の姿を通し、女性の生き方、性や人種などの差別をテーマを描いている。父親から性的虐待を受ける娘時代を過ごした主人公セリーが、暴力的なミスター**との結婚生活を終わらせ、幸せをつかむまでの物語が、書簡形式で進む。人間社会は、立場の弱い者が行動を起こしたり、厳しい法律や罰則ができたりするまでは、強者が弱者へ支配と服従を求め、雄は雌を犯す生き物と、心得ておくべきことがよくわかる作品だ。賢く生きたいものである。