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ブックリヴュー:『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』(メイソン・カリー 著、金原瑞人 訳、石田文子 訳、フィルムアート社 刊)

 雑誌やウェブメディアの元編集者で、現在は講演活動なども行っている、米東部ペンシルヴェニア州出身の作家が、小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督など、161人の日課や毎日のスケジュールなどをまとめた『Daily Rituals: How Artists Work』の邦訳本。原書は2013年に、日本版は14年に発売された。それぞれの仕事、食事や睡眠、趣味、人づきあいなどのエピソードが、人によっては、生活の糧を得るための別の仕事の話も出てくる。「天才たち」は、早朝か深夜に創作することが多く、散歩をする人が多いのが印象的だ。161人全員に、ぶれない集中力があることも伝わる。本書は、著者の個人のブログが元に制作されたという。クリエイティヴな仕事に就きながら、ブログを書き、本を執筆するとは、並大抵のことではない。読み手の多くが、「天才たち」とともに、著者からも刺激を受けるだろう。邦訳本刊行時から、本書のファンである。人生に良い影響を与えてくれた1冊だ。

ISBN:978-4-8459-1433-3
Cコード:0098
四六判 384ページ
価格:1,800円+税
発行:フィルムアート社