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ブックリヴュー:『華僑のボスに叩き込まれた世界最強の稼ぎ方』(大城太 著、幻冬舎 刊)

 日本の華僑社会で「ボス」と呼ばれる大実業家に財のなし方を学び、自身のビジネスを成功させた日本人実業家による、2019年初版のビジネス小説。物語は、実話にほぼ基づいているという。「金なし、学歴なしのダメサラリーマン」の主人公は、「知難行易」を軸に、知るためにはやらなければならない商売の極意をボスから教わる。結果、独立後は、起業1年で年商1億円を上げることができた。著者は、あとがきで、「西洋は「宗教を中心とした法の社会」、東洋は「人を中心とした倫理の社会」」とつづる。これは、私もよく考える。日本が西洋化したのは、わずか150年ほど前のことだ。日本人には、それ以前の、東洋・日本の時の刻み方のもとで育まれた感性を持っているはずだが、西洋思想をありきの社会で生きている。かといって、我々は西洋人ではない。ユニークな日本は、西洋からも東洋からも、うま味がある存在であろう。「ボス」が、中国の古典を用いているのが印象的な小説だ。「修身、斉家、治国、平天下」などは、特に心に残る。

ISBN:978-4-3440-3531-7
Cコード:0095
238ページ
定価:1400円+税
発行:幻冬舎