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ブックリヴュー:『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』(センディル・ムッライナタン 著、エルダー・シャフィール 著、大田直子 訳、早川書房 刊)

 行動経済学が共通の専門の学者2人が2013年に発表した『Scarcity:Why Having Too Little Means So Much』の邦訳本。「自分の持っているものが必要と感じるものより少ない」欠乏が、人に与える影響を考察している。忙しい人が時間を効率的に管理できない、お金の管理に失敗する、ダイエットがうまくいかないなどは、同じ理由で起きているという。時間とお金などの「欠乏」は、処理能力に負荷を与える。人間は「欠乏」が生じる生き物なので、「スラック」を設けて、その上で行動したほうがよいのは間違いない。貧困についても考えさせられる本である。

ISBN:978-4-15-050483-0
Cコード:0133
文庫判 384ページ
定価:960円+税
発行:早川書房