Cコード:9495
A5判 112ページ
定価:850円+税
発行:NHK出版
成人期のADHDの認知行動療法、時間管理、集団認知行動療法が専門の心理学博士で、公認心理師、臨床心理士の著者が、習慣を見直し、時間を有意義に使えるようになるための方法をまとめた本。脳の仕組みを利用し、「欲求を満たしながら、我慢することなく悪習慣をやめる」技術の提案である。やり方は、ノートとペンを用意し、1日3分、4項目に対し1行書くというものだ。過度に、ゲームやSNS、映像作品、酒、食にはまっていた人たちの事例をあげ、この記録により、どのように好転していったかがつづられる。世の中には、やめたい習慣がない人もいるのかもしれないが、私にはある。中年期に突入してから、いくつかの悪習慣を、何年かかけて、自力でやめた。目標を達成した満足感を知っているのにもかかわらず、ほかにも、やめたいのにやめられない習慣がある。科学に基づいた、本書の方法はぜひ参考にしたい。自身が認知行動療法で生きやすくなったと言及する著者の言葉は励みになるだろう。
アメリカのコンサルタントで心理学士の著者による、1999年発表の『Life Strategies: Doing What Works, Doing What Matters』の邦訳本。2008年初版。人生のあらゆる場面で起きることの現実を受け入れ、否定、思い込み、惰性などを消し去り、人生改革のきっかけをつかむ方法が書かれている。本書は、狂牛病の危険性を発言したことで、誹謗中傷を受けたり、多額の賠償金を求められたりして、理不尽な窮地に立たされた、女優で司会者、実業家のオプラ・ウィンフリーのエピソードから、進んでいく。著者は「現実が間違っている」「自分が正しいことは自然と証明されるはず」と自分の殻にとじこもるオプラを説得したという。「自分の生き方や考え方、態度が「正しい」かどうか自問する代わりに、それでうまくいっているか自問」することが大切なのである。また、著者の言うことをきちんとやれば、人生が好転するであろう自分自身を知る術を用意している。「人生の次元」を知ることで、優先順位も見極めることもできるだろう。子ども時代に、小さな自分ではコントロールできないことで苦労した人の事例も出てくる。本を読める健康状態であることが前提だが、もし、この投稿を読んでいる人で、そうした環境で育ち、深い傷をおったまま大人になり、暮らしや人生に支障をきたしている人がいたら、ぜひご一読を。何かが変わるかもしれない。