Cコード:0198
文庫判 464ページ
定価:1,280円+税
発行:早川書房
アメリカ・ジョージア州出身の作家で社会活動家の著者が、1982年に発表した小説『The Color Purple』の邦訳本である。20世紀初頭の米南部の黒人女性の姿を通し、女性の生き方、性や人種などの差別をテーマを描いている。父親から性的虐待を受ける娘時代を過ごした主人公セリーが、暴力的なミスター**との結婚生活を終わらせ、幸せをつかむまでの物語が、書簡形式で進む。人間社会は、立場の弱い者が行動を起こしたり、厳しい法律や罰則ができたりするまでは、強者が弱者へ支配と服従を求め、雄は雌を犯す生き物と、心得ておくべきことがよくわかる作品だ。賢く生きたいものである。
『雨月物語』
監督:溝口健二
出演:京マチ子、水戸光子、田中絹代など
1953年
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安土桃山時代が舞台の、欲望に翻弄される人々を描いた作品。貧農の陶工、源十郎は、若狭という女と知り合い、家族を捨てて生活を共にする。ところが、女は死霊であることがわかり、村に帰るが、妻は既にこの世にいなかった。源十郎は自分の過ちに気がつき、勤勉な陶工になる、というのがあらすじである。源十郎や義弟、村人や町人、足軽らの言動や行動からしても、人間は愚かな部分があり、さらには、技術が進化した現代人と変わらないということがよくわかる映画である。人によっては教訓にできることもあるだろう。原作は、江戸時代の読本作者、上田秋成(1734~1809)による『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」で、フランス人作家ギ・ド・モーパッサン(1850~93)の『勲章』も元になっているという。
人気のオンラインサロンや動画サイトで活躍する1987年生まれの著者が、億万長者思考を身につける方法をつづった2020年初版の本。資本主義の世界で悠々と生き続ける方法は「お金持ちになること」。そのためには、「資本主義の原則」や、サラリーマンのメリットとデメリット、そして、稼ぎ方、使い方、貯め方などを知る必要があるという。提案の一つ一つに、説得力と優しさがこもっているのは、著者の、プログラマーとして企業に勤めた後にフリーランスエンジニアに転身したキャリア、サラリーマン時代の「手取り17万円、借金400万円」の経験からのものだろう。これからフリーランスを目指す勤務者はもちろん、定年退職を控えた人たちにも、良い情報が満載なのでおすすめしたい。
2015年に出版された、組織行動学が専門の著者の『Leadership BS』の邦訳本。著者は、リーダーシップを育成する産業を厳しく分析する。その上で、世間の理想のリーダー論と、現実のリーダーは異なり、そこには、謙虚さ、誠実性、信頼性などはないと指摘する。原題の「BS」は、そういうことかと納得もできるだろう。リーダーシップを求められる立場に置かれた人などは、読んでおいたほうがよい1冊である。私見であるが、勤務経験者なら誰もが、心優しい、良い人は、出世しない、できない現実を目の当たりにする。また「自分の身は自分で守る」ことを行わなければ、職場では生き抜けないことも知っている。リーダーシップ関連の書籍をたくさん読んでいる人もぜひどうぞ。