ムーヴィーリヴュー:『風と共に去りぬ』Gone With the Wind(監督 ヴィクター・フレミング)

『風と共に去りぬ』(原題:Gone With the Wind)
監督:ヴィクター・フレミング
出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブルなど
1939年
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 米南部アトランタ州ジョージアで生まれた、小説家のマーガレット・ミッチェル(1900~49)原作の作品である。同国では39年、日本では52年に公開。南北戦争前の、南部の壮大な農園で暮らす強気な美女スカーレット・オハラが主人公の物語。戦争の影響で生活が崩壊し、彼女は生き残りをかけた戦いに身を投じる。苦難を乗り越えつつ、故郷を守るために立ち上がる彼女の波乱に満ちた旅が描かれる。と同時に、男性運に恵まれない女性の話でもある。「この世で唯一価値あるものは土地だけだ。土地は永遠に残る」「神様に誓います。二度と飢えません」「明日は明日の風が吹く」など、本作を見たことがなくても、誰もが知る名言を残した映画だ。人間が、特に女性が生き抜く術、人生のどん底から這い上がるための心の持ち方、雇われずに主人として成功するための秘策、雇われるならどういうふるまいをすれば主人に気に入られるかなども、よくわかる。人種問題が気になる作品だが、女性も男性も一生に一度は見たほうがよい映画である。