1934年(昭和9年)生まれの現役ジャーナリストが、半生を振り返りながら、仕事を続ける体力や気力、知力の秘密、人生100年時代の働き方の手がかりを探った本。初版は2020年。著者は、サラリーマンの大切な資産は、好奇心、教養、人脈、目標の4つという。これらを「60歳で使い切るものと思わずに、生涯も存分に活かせるよう、会社にいるときから常に磨き続けることではないでしょうか」。小説家志望を変更した大学夜間部時代。映画の世界から、ジャーナリストの道へ。40代にはサラリーマンからフリーランスへ。本書の初版当時、86歳で仕事を続けている著者は、企画と制作、報じることを、常に身体を張ってやってきた。デジタルの時代になっても、働く人、特に、報じたり、発表、発信、発行してお金を得ている人たちのお手本になるような人ではないか。本書を読むまで、著者を団塊の世代だと思っていた。働き続けるとは、若々しさを保つことでもあるのだ。田中角栄や笹川良一から取材後にお札の入った封筒を渡されるが、それを返したというエピソードはとてもおもしろかった。
Cコード:2034
B6変型判 256ページ
定価:1,380円+税
発行:クロスメディア・パブリッシング