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ブックリヴュー:『ネイティヴ・サン:アメリカの息子』(リチャード・ライト 著、上岡伸雄 訳、新潮社 刊)

 1940年に出版された、アメリカの作家、リチャード・ライト(1908~60)の『Native Son』の邦訳本。30年代の米州西部シカゴが舞台で、主人公の黒人青年が、2度の殺害を犯し、最後は死刑を宣告される物語である。本作は、主人公ビッガー・トマスの行動を容認しているのではなく、彼を追い詰めた社会的、心理的な要因を探っている。話が進むにつれ、ビッガーは、より自暴自棄になり、暗い道への選択をする。読者は、恐怖と同情の両方を感じ、暴力と犯罪がなぜ起こるのかを考えることになる。はるか昔の学生時代に原書で読んだ小説だ。邦訳は初めて読んだが、リチャード・ライトの小説を読む時は、体力や心の状態が整っていることが大切なことを思い出した。同時に、地球上のすべての人が、健康、家族や伴侶や恋人や友人、仕事、お金に恵まれるよう、努めたいと感じた。
 

ISBN:978-4-10-240261-0
Cコード:0197
文庫判 800ページ
定価:1,100円+税
発行:新潮社