40年以上前に刊行された、脚本家、随筆家、小説家の向田邦子(1929~81)の「かわうそ」「マンハッタン」「酸っぱい家族」「ダウト」など13作を収録した短編集。各作品で、人間の狡さや醜さ、汚さ、後ろめたさ、愚かさなどが描かれる。それらは、日常生活の些末なことと調和し、人間の曖昧さや矛盾さえもが愛おしいものとして捉えることができる。10年に1度くらい本作を読む。前回以上に自分の弱さを知り、人にも寛容になっている分、違った景色を感じた。0か1かの世の中に疲れを感じている方は、本作、及び、向田作品を、ぜひお読みください。
ISBN:978-4-10-129402-5
Cコード:0193
文庫判 256ページ
定価:550円+税
発行:新潮社
Cコード:0193
文庫判 256ページ
定価:550円+税
発行:新潮社