Cコード:0098
四六判 336ページ
定価:2,500円+税
発行:草思社
1940年に出版された、アメリカの作家、リチャード・ライト(1908~60)の『Native Son』の邦訳本。30年代の米州西部シカゴが舞台で、主人公の黒人青年が、2度の殺害を犯し、最後は死刑を宣告される物語である。本作は、主人公ビッガー・トマスの行動を容認しているのではなく、彼を追い詰めた社会的、心理的な要因を探っている。話が進むにつれ、ビッガーは、より自暴自棄になり、暗い道への選択をする。読者は、恐怖と同情の両方を感じ、暴力と犯罪がなぜ起こるのかを考えることになる。はるか昔の学生時代に原書で読んだ小説だ。邦訳は初めて読んだが、リチャード・ライトの小説を読む時は、体力や心の状態が整っていることが大切なことを思い出した。同時に、地球上のすべての人が、健康、家族や伴侶や恋人や友人、仕事、お金に恵まれるよう、努めたいと感じた。
『風と共に去りぬ』(原題:Gone With the Wind)
監督:ヴィクター・フレミング
出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブルなど
1939年
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米南部アトランタ州ジョージアで生まれた、小説家のマーガレット・ミッチェル(1900~49)原作の作品である。同国では39年、日本では52年に公開。南北戦争前の、南部の壮大な農園で暮らす強気な美女スカーレット・オハラが主人公の物語。戦争の影響で生活が崩壊し、彼女は生き残りをかけた戦いに身を投じる。苦難を乗り越えつつ、故郷を守るために立ち上がる彼女の波乱に満ちた旅が描かれる。と同時に、男性運に恵まれない女性の話でもある。「この世で唯一価値あるものは土地だけだ。土地は永遠に残る」「神様に誓います。二度と飢えません」「明日は明日の風が吹く」など、本作を見たことがなくても、誰もが知る名言を残した映画だ。人間が、特に女性が生き抜く術、人生のどん底から這い上がるための心の持ち方、雇われずに主人として成功するための秘策、雇われるならどういうふるまいをすれば主人に気に入られるかなども、よくわかる。人種問題が気になる作品だが、女性も男性も一生に一度は見たほうがよい映画である。