渡辺淳一(1933-2014)の1973年の小説。自身の類まれな才能に苦悩し、男性たちとの関係に葛藤しながら、阿寒湖畔で自ら命を絶った17歳の天才少女画家時任純子と、彼女に翻弄された、作家、画家、記者、医師、カメラマン、5人の男性の姿を描いた話である。数年前に、加清純子という時任純子のモデルになった画家をたまたま知り、興味がわいて、本作を読んだ。それ以前、渡辺淳一作品のいくつかに触れたが、ある種のイメージができあがっていた。女流作家の作品が好きな私としては、受け入れられないものだった。しかし、デビューして数年後に書かれた本作によって、作者のスタイルを理解し、すっかりファンに。傑作。
ISBN:978-4-08-781587-0
Cコード:0093
四六判 396ページ
定価:2,200円+税
発行:集英社
Cコード:0093
四六判 396ページ
定価:2,200円+税
発行:集英社