時間の使い方と幸福度の関係性が専門の社会心理学者で、UCLAアンダーソン経営大学院教授が、2022年に発表した『Happier Hour』の邦訳本。1日24時間の中で生きる人間が、「時間貧乏」の自身に向き合い、時間のとらえ方や使い方を変え、人生を改善する方法が書かれている。具体的には、「最適な可処分時間を考え」た上で、「時間的余裕を感じる方法」「最も賢明な時間のつかい方」「やる気を高める方法」「喜びを常に更新する方法」「幸福度を上げ、成果を出す」方法、「取捨選択する方法」「スケジュールの最適化」などだ。これらを達成するための14のエクササイズの紹介や、日常生活での助言も多数ある。著者の「やることを減らしても、時間は増えない」という言葉に納得した。本当にそうなのである。また「人生の終わりを想像してみる」という案があるが、これに関しては、ただの生き物として、死に向かって生きていることを自覚し、行動することこそ、効率的、かつ、幸せな時間の使い方をするのでは、などを考えた。著者の提案は、すぐに取り入れられることも多い。「時間貧乏」から脱したい人は一読をお勧めしたい。
Cコード:0033
A5判 320ページ
価格:1,800円+税
発行:翔泳社