日: 2024年3月9日

  • ムーヴィーリヴュー:『近くの他人』We Only Know So Much(監督 ドナル・ラードナー・ワード)

    『近くの他人』(原題:We Only Know So Much)
    監督:ドナル・ラードナー・ワード
    出演:ジーン・トリプルホーン、ダミアン・ヤング、ラウドン・ウェインライト3世など
    2018年
    Amazon Prime Video

     アメリカの作家、エリザベス・クレインの作品が原作の映画である。4世代で暮らす家族の物語だ。主人公の主婦、ジーンは、2児の母で、参加している読書クラブのメンバーと不倫している。夫は小売店の責任者で一家の主。身に覚えのない、学生時代の恋人と名乗る女性との関係を進展させようとしている。短大に通う19歳の娘はリアリティ番組のスターになろうと必死なファッショニスタ。9歳の息子はクロスワード好きな少年で、初恋の女の子に夢中に。夫の父親は、認知症が進み、家族からの介助を必要とし、祖母は比較的しっかりしている。本作は、この6人が繰り広げる人間模様を描いている。多くの人にとって身近な秘め事や課題、親子だけで暮らす核家族では学べない知恵が詰まった内容である。夫や妻以外との恋愛をしている人や、子どもの成長を見守る親御さんや、年老いた両親や祖父母の介護や介助を自宅で行う人などは、共感できることが多いのかもしれない。派手な内容ではないが、娘が夢に向かって進路を決めるシーンで終わるので、ハッピーなストーリーなのである。