1982年に刊行された、小説家でエッセイスト、林真理子さんのエッセイ集。結婚願望や恋愛、仕事、女性としての生き方、社会風刺などが、ユーモラスにつづられている。私の中で「天才」に位置づけられる著者のデビュー作は大変おもしろい。発表された頃は、コンピュータもインターネットも特別な人たちだけのものだけで、もちろん、誰もが発信ができるソーシャルメディアも存在しない時代だ。著者の率直な発言は、女性たちの代弁者として、羨望の対象として、心を捉えたことだろう。林さんの作品は、大学生の頃に『葡萄が目にしみる』1冊読んだ。しかし当時の私には響かなかった。ところが、時がたって『野心のすすめ』を読んだ時から、すっかりファンになってしまった。以来、小説もエッセイも、今では動画チャンネルまでをチェックするようになった。何かを成し遂げたいと考えている、特に女性には、ぜひ読んでいただきたい1冊。
Cコード:0195
文庫判 240ページ
定価:440円+税
発行:KADOKAWA