日: 2024年3月23日

  • ムーヴィーリヴュー:『鉄道員(ぽっぽや)』(監督 降旗康男)

    『鉄道員(ぽっぽや)』
    監督:降旗康男
    出演:高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、小林稔侍、田中好子、吉岡秀隆、奈良岡朋子、志村けん、安藤政信など
    1999年
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     浅田次郎の短編小説が原作の映画。舞台は北海道。廃線間近のローカル線、定年間近の、幌舞線の終着駅で駅長を務める佐藤乙松の物語。我が子と妻を亡くした時も、休むことなく駅に立ち続けた鉄道員一筋だった人生を振り返る。幻想的で温もりも感じつつ、悲しい話だ。本作の元となる浅田作品は、以前に、北海道の旧炭鉱町の絵を描き続ける画家の方に、勧められたものだった。映画は、小説を再現した内容であり、映画の最初のシーンから、この世を去った、主演の高倉健、田中好子、奈良岡朋子、志村けんが台詞を発する度に、泣けてしまった。主題歌の作曲と編曲は坂本龍一。余計に切ない気持ちに。小林稔侍や大竹しのぶは本当に演技が上手く、吉岡秀隆は雪が似合う俳優だ。広末涼子には、本作のような良い作品に出演してもらいたいなどとも思った。映画を見たら、原作を、必ず読みたくなるだろう作品。