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ブックリヴュー:『エッセイストのように生きる』(松浦弥太郎 著、光文社 刊)

 エッセイストの著者による、考え方や書き方、読書、SNSとの付き合い方まで、思考のレッスンをまとめた本。著者は、エッセイを「パーソナルな心の様子を描いた文章」と捉え、書くことによって「自分はどんな人間になりたいか」に注力することを勧める。著者の本は、『本業失格』の刊行以降、女だてらに「松浦さんのような生活ができたら」と思いながら、ほぼ全作読んでいる。気づきも多い。むつかしい言葉を使わず、子どもからお年寄りの誰が読んでも、わかりやすく書かれていることも、人気のエッセイストであり続ける秘訣と感服する。そして、本作は大変刺激になった。効率重視の世の中で、「なにかになるための生き方」はしないのが得策かと。心の小さな動きを感じ、それを書き続けることが大切なのである。

ISBN:978-4-334-10098-8
Cコード:0095
四六変型判 232ページ
定価:1,600円+税
発行:光文社